- CHEF'S STORIES -

食のプロだけが知っている、
シェフたちの知られざる素顔と熱いエピソードを集結。

CHEF'S STORY #5 レストランと家庭の食卓をつなぐ
QUINDI 日高シェフ 塩原店主


産地の自然が
頭に浮かぶようなコースが
贅沢に感じます

フードジャーナリスト
佐々木 ケイ 氏

産地の自然が
頭に浮かぶようなコースが
贅沢に感じます

【語り手】フードジャーナリスト
佐々木 ケイ 氏


経験豊かなサービスマン、ソムリエ、料理人がタッグを組み、2018年にオープンした代々木上原『Quindi』。レストランの小規模化が進む中、ゆったりとした空間にくつろぎ、行き届いたプロのサービスに身を委ねて食事ができると評判になり、瞬く間に舌の肥えた大人の集う一軒として注目を集めるようになりました。「chef to」限定「食卓丸ごとQUINDIコース」は、食材選びから味作りまで、『Quindi』の魅力が詰まった内容になっています。

「おいしいことは重要、前提としてお約束したいけれど、それだけでは十分じゃない」と、話すオーナーソムリエの塩原弘太さん。同世代、同じ景色を見ながら修業時代を過ごした仲間と『Quindi』をオープンする際、あるコンセプトを決めました。それが「レストランと家庭の食卓をつなぐこと」。
「“食べるものを選ぶ”ことは、一番身近な、日常の延長線上にある消費活動。レストランは食事をする場所であるから、いろんなきっかけを作ることができるはずなんです」
テーブルに用意されたメニューを見ると、全国の生産者が手塩にかけて育み『Quindi』へと届けられる食材が大きな文字で、主役に据えられています。「兵庫 明石の鱸」「鳥取 猛者海老」「高知 南国 川添さんの山羊」「宮崎 天孫降卵」そして「日本中の野菜」……。魚介、肉、卵に野菜、すべてに共通しているのが「おいしいことは前提に」、自然に負荷をかけない農法や漁業を通じて人の手にもたらされ、処理から流通まで手間をかけた安全なもの。ピカピカの食材は、安藤曜磁シェフの手により、クラシックともイノヴェイティブとも違う、シンプルでいきいきとした料理に仕立てられます。魚は、野菜のソースや果物で彩りとフレッシュさを添えた前菜に。肉は香味野菜やハーブと一緒にパスタソースに。そして、イタリア全土から、日本各地まで、選び抜かれたワインととともに、ゲストのテーブルへと運ばれます。
『Quindi』は、レストランの一角に食材や調味料、ワインなどを扱うショップも併設しています。料理に使われた肉や魚、野菜と同様に、手間を惜しまず安全に育てられた食材、地域の伝統を守って時間をかけて作られた調味料。「おいしかった」を一日の体験で終わらせないために。「レストランと家庭の食卓をつなぐ」仕掛けが、ここに用意されているというわけです。さらに2021年、レストランから徒歩すぐの場所に『Tutti / Non Capiscono Niente (トゥッティ ノン・カピースコノ・ニエンテ)』をオープン。セントラルキッチンとデリカテッセン、カウンター中心のバールのようなカジュアルな酒場を備えた店は、自宅の二番目の冷蔵庫であり、地域に暮らす人々の集会所にもなる場所。小皿のつまみになっても、持ち帰れるようパッケージされたデリになっても、食材選びや調理のコンセプトは『Quindi』に同じです。
「食卓丸ごとQUINDI」は、旬野菜のスープ 甲殻類のタルタル添えに始まり、熊本天草ホロホロ鳥のガランティーヌ(詰め物)、きたあかりのニョッキ 季節のお魚とドライトマト、希少な和牛のブラザート(煮込み)の4皿。どれも、家庭では作れない、手の込んだプロの料理ながら、食べれば健やかな食材の味わいが豊かに浮かび上がります。野菜はフレッシュに、手打ちパスタはソースがしっかり絡み、旨みを纏うように、肉の煮込みはホロッ崩れる手前の、噛み応えを残した火入れ加減で。家庭で簡単に盛り付けられるのに、レストランクオリティの味がきちんと完成する仕上りです。
日本各地の素晴らしい食材と、手間と時間が生むイタリア料理の醍醐味が手軽に味わえるコース。ご自宅での記念日やおもてなしの食卓にも、役立つはずです。

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QUINDI イタリアン/東京都 代々木上原

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