- CHEF'S STORIES -

食のプロだけが知っている、
シェフたちの知られざる素顔と熱いエピソードを集結。

CHEF'S STORY #2 東京・南青山 薬膳中華の巨匠
南青山ESSENCE 薮崎シェフ


つくり出す味わいは優しく
「食べるほどに、ととのう」心地に。

【語り手】フードジャーナリスト
佐々木ケイ 氏

つくり出す味わいは優しく
「食べるほどに、ととのう」心地に。

【語り手】フードジャーナリスト
佐々木ケイ 氏


| 自分に厳しく、とことんストイックなのに、
  つくり出す味わいは優しく「食べるほどに、ととのう」心地に。
  ちょっといいワインが欲しくなる味でもあります。

東京チャイニーズシーンにおいて、常にパイオニアであり続ける薮崎友宏シェフ。流行りの店、SNSで話題の店、予約の取れない店……。人気のレストランがそんな枕詞で語られる時代ですが、薮崎シェフ率いる『エッセンス』は、東京チャイニーズの歴史に名を刻むことになる一軒です。「chef to」のためにつくられた「身体と心を癒す薬膳中華コース」は、そんな『エッセンス』の、文字通りの「essence(本質、真髄)」が味わえる贅沢なコースです。

表参道駅からも外苑前駅からもアクセスできる南青山『エッセンス』は、2007年のオープン直後から話題をさらいました。店構えはカフェのように軽やかながら、供する料理は本格派。中国各地の伝統食文化をしっかりと踏まえながら、野菜をふんだんに使い、化学調味料を使用せずにつくる料理を、選び抜かれたワインとともに。ヘルシーさや料理のマニアックさ、ワインと合わせた提案は、2010年代にオープンした新世代中華のスタンダードになっていますが、それらを町場の中国料理店で、いち早く、明確に打ち出したのが薮崎シェフだったのです。
南青山界隈に集う感度の高い女性や食通たちから高い評判を得て、店は瞬く間に人気店となりましたが、薮崎シェフはおごることなく、一歩ずつ進化を続けます。2009年にはJSA(日本ソムリエ協会)認定のソムリエ資格を取得。2017年にはさらに難関であるシニアソムリエ(現ソムリエエクセレンス)の資格も取得しました。やるとなったら、とことん突き詰めないと気が済まない探求型。野菜ソムリエにCPA(チーズプロフェッショナル協会)認定チーズプロフェッショナル、SSI(日本酒サービス研究会)認定日本酒唎酒師、JSA認定SAKE DIPLOMAと、資格を挙げ始めたらきりがないほど。
 もう一つ、薮崎シェフが料理人を志したときから大切にしているのが「医食同源(薬食同源)」の思想です。ふだんからバランスのよい食事をとることが、病気の予防につながるという考え方。20代の頃から薬膳について学び、『エッセンス』のオープンに先駆け日本薬膳食医情報協会の薬膳調理指導員(現薬膳インストラクター)試験や國際薬膳調理師試験に合格。2019年には全日本薬膳食医情報協会の理事長に就任しました。一方で、栃木県足利市の自社農園で野菜の栽培もスタート。近隣の畜産農家やワイナリーとも協力し、地域が一体となった循環型農業で、豊かな環境を守りながら、自ら土を耕して、安心・安全な野菜を育てています。
 料理人であり、酒類のプロフェッショナルでもあり、農業に携わりながら、日本の薬膳の発展にも尽力する。ひとりで2人分、いや4、5人分以上の活躍を続けるスーパーシェフ。それぞれのフィールドで得た知識や経験は、すべて『エッセンス』の料理に、サービスへとつながっていきます。「中国の伝統食文化に根ざした、野菜たっぷりのヘルシーな料理を、ワインとともに」。開業時のコンセプトは今も貫かれ、進化と深化を続けながら、一皿の味を深めているのです。
 「身体と心を癒す薬膳中華コース」は、フカヒレの姿煮込み、烏骨鶏薬膳スープ、東坡肉(トンポーロウ)、足利マール牛の肉まんの全4品。フカヒレの姿煮込みは、タラバ蟹と一緒に煮込み、蟹の旨みもたっぷりと感じられる豪華版。東坡肉(トンポーロウ)とともに、中国料理のごちそうの定番です。足利マール牛は、自社農園のある足利市で、ワインの搾りかすを飼料に育った牛肉の上質なバラ肉を使っています。圧巻は烏骨鶏薬膳スープ。ベースのだしは鶏、羊、牛、馬、豚を5時間蒸して取ったもの。五畜(5種類の肉)を使用するのは、薬膳の基本となる思想「陰陽五行」に基づくのだそうです。

中国料理の伝統と技、薬膳の思想、足利の自然の恵み。『エッセンス』と薮崎シェフがつくる味の魅力を存分に味わって頂けるコース。ぜひ、お好みのワインとともにお楽しみください。

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南青山 ESSENCE 薬膳中華/東京 南青山

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